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不妊治療で成功するための病院の選び方

不妊治療を受けたいと思われている方に向けて、病院の選び方で意識したい11のポイントを解説していきます。

子どもを授かるための治療に対応している病院は多くありますが、病院選びが重要であることをご存じでしょうか?実は病院による治療方針の違いや、相性の良し悪しにより治療結果が変わることも少なくありません。つまり病院を選ぶ際には、ご自身にあう病院を見極めることが大切だといえます。

そこで今回の記事では、不妊治療を受けるための病院の選び方のポイントを、11の項目から解説します。ストレスなく通院できて、治療結果がともなう病院を選びたいと思われている方は、ぜひ要点を意識しながら病院選びをしてください。きっと選んでよかったと思える病院が見つかるはずです。

不妊治療の病院の種類と特徴

不妊治療を受ける病院を選ぶ前に、不妊治療を行っている病院の種類と特徴を押さえておく必要があります。主な病院の種類とそれぞれの特徴は次の通りです。

不妊治療専門クリニック

専門的な不妊治療を受けられる可能性が高いクリニックです。基本的には、生殖専門医など、不妊治療の専門医が在籍しています。ただし、全てのクリニックに専門医がいるわけではありません。また、クリニックの規模などもさまざまです。詳細を確認してから選択することが重要です。

専門家のもと、高度な不妊治療を受けられる可能性があります。土日祝日、夜間などに診療を行っているクリニックが多い点も魅力といえるでしょう。

産婦人科医院

診療科目に産婦人科を掲げている医院です。妊娠・妊娠以外の女性の生理現象を診察しています。もちろん、不妊治療も受けられます。ただし、医院により得意分野はさまざまです。

例えば、出産を扱っていないところもあります。また、医院により規模も異なります。

メリットのひとつとして、医院の選択肢が多いことがあげられます。同じ産婦人科医にかかりやすい点も魅力です。地域によっては、通いやすい産婦人科医院を見つけられるでしょう。

大学病院・総合病院

ここでいう大学病院・総合病院は病床規模の大きな病院や救急診療を実施している病院などを指します。
これらの病院の生殖医療センター、不妊治療外来、産婦人科などでも不妊治療を受けられます。

高度な不妊治療を受けやすい点や設備が充実している点などがメリットとしてあげられます。院内に他の診療科があることも魅力といえるでしょう。必要に応じて、他科と連携した治療を受けられます。持病がある場合も、不妊治療を受けやすいでしょう。

不妊治療をする際の病院の選び方のポイント


それではさっそく、不妊治療を受ける病院の選び方のポイントを見ていきましょう。次の11の要点を意識しながら病院選びを行えば、きっと失敗したと思うことはないはずです。

ポイント1:通院のしやすさ

まず重視したいことは、通院がしやすいことです。子どもを授かるための治療の方法によっては、数日に1回の通院をしなければならなくなることもあります。通院が少ない治療法でも、1か月に数回は受診しなければならないことがほとんどです。「病院に行く」ことは少なからずストレスになるでしょう。通いやすい病院を選ぶことで、ストレスが軽減されるはずです。

自宅や職場から近いこと、アクセスがしやすいことを重視して病院選びを行ってください。夜間や休日の診療対応状況も確認しておきましょう。通いやすい病院を選ぶことが不妊治療のための病院選びの最初のポイントです。

ポイント2:不妊治療専門である

次に専門の病院であることも病院選びで確認しておきたい点です。大学病院や総合病院は専門ではないことが多いようです。一般的な産婦人科でも子どもを授かるための治療を行っているところもあります。しかし体外受精などの専門的な治療を受けられないケースもあるでしょう。また担当医師により得意でないことも考えられます。

専門の病院であれば、高度な治療も受けられます。さらに医師により得意な不妊治療に偏りがあることも少なくないはずです。「不妊治療対応可能」な病院ではなく、「専門」の病院を選ぶことがひとつとなります。

ポイント3:生殖専門医がいる

生殖医療専門医が在籍していれば、子どもを授かるための治療への専門的治療が受けられる可能性が高くなります。専門の病院には「生殖医療専門医」が所属していることが多いものです。しかし実は治療を行っている病院でも、生殖医療専門医がいないところもあります。2012年4月1日のデータでは、生殖医療専門医は全国に467名しか存在していません[1]。

人数が多くないことを考えると、専門と言える病院は限られていると考えられます。「不妊治療」を標榜するために、生殖医療専門医が在籍している必要はありません。しかし専門家がいる病院の方が心強いでしょう。子どもを授かる治療のための病院の選び方として、「生殖医療専門医」が在籍しているか確認しておくことをおすすめします。

ポイント4:男性不妊に対応している

病院の選び方として、「男性不妊」に対応しているかどうかも確認してください。実は不妊症では約半数が男性に原因があると言われています[2]。そのため女性側の治療に対応しているだけの病院では、十分な効果が期待できない可能性があるのです。

男性不妊症では精液検査や精巣・精管の触診、軽直腸超音波断層法による診査などが行われます[2]。女性不妊症とは違う診察により原因を追求し、治療を行うのです。そのため不妊症の病院を選ぶ際には、女性不妊だけでなく男性不妊にも対応している病院を選ぶことが成功のための要点となります。

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ポイント5:病院・クリニックの規模だけで選ばない

不妊治療のための病院の選び方では、病院やクリニックの規模だけで選ばないことにも注意しましょう。大きな病院では、高度な治療体制が整っていると思われるかもしれません。反対に規模の小さなクリニックなら、親身に相談に乗ってもらえると思われる方もいるでしょう。

病院・クリニックの規模により、ある程度傾向はあるかもしれません。規模の大きな病院であれば設備投資が十分に行われていて、小規模なクリニックではずっと同じ医師に相談できる可能性があります。しかし規模の大きなクリニックは患者数が多く、待ち時間が長くなる傾向です。また毎回違う医師が担当する可能性も高いでしょう。

病院やクリニックの規模ではなく、専門であり、知識や技術がしっかりとしている信頼できる医師が在籍していることも大切です。病院や医師を見極めてから病院を選ぶようにすることをおすすめします。

ポイント6:衛生管理や医療安全対策が適切になされているか

子どもを授かるための治療を受ける際には、衛生管理や医療安全対策が適切になされている病院を選ぶことも大切です。院内感染を予防するだけでなく、精子・卵子の取り間違いを防ぐために重要な要点となります。

もし医療安全対策が適切になされていなければ、取り違いが起こることも考えられます。名前や生年月日をこまめに確認し、本人確認を行っている病院であれば安心できるでしょう。病院の管理体制を見極めることも、病院の選び方のポイントのひとつです。

ポイント7:治療方針が自分に適しているか

治療方針がご自身に適している病院を選ぶことも欠かせません。たとえば自宅近くに、生殖医療専門医が在籍していて、高度な治療を受けられる通いやすい病院があったとします。しかし治療方針がご自身の考えにあっている病院の方が、ストレスなく治療を受けられるのではないでしょうか。

病院・クリニックの治療方針は、診察を受けてみなければわからないところがあります。そのため治療方針を確認するために、説明会に参加されるのがおすすめです。複数の病院・クリニックの説明会に参加してみてください。すると自然とご自身の考えにしっくりとくる病院が見つかるでしょう。

ポイント8:治療実績があるか

不妊治療の病院の選び方ポイントとして次に確認したいのは、治療実績の豊富さです。治療実績が豊富な病院・クリニックであれば、これまでの実績から柔軟性の高い治療を行ってくれる可能性が高まります。

治療実績は病院のホームページに掲載されていることもあります。またインターネットで治療を受けた方の口コミを確認してみるのもひとつの方法です。

ただし治療実績や治療成功実績は、治療を受けた方の年齢や状態にも左右されます。年齢が若く、受精しやすいご夫婦を治療した場合、自然と治療成功率は上がるでしょう。治療実績を確認することは子どもを授かるための治療における病院選びの要点として大切です。しかし治療実績だけで判断するのは危険だとも言えます。その他の点も意識しながら、信頼できる病院を見つけてください。

ポイント9:病院の口コミに問題がないか

病院の治療実績とともに確認しておきたいのは、実際に治療を受けた方からの口コミです。病院のホームページで魅力的なことが記載されていることも多いでしょう。しかし実際に治療を受けた方の立場にたつと、違う印象を受けることも少なくありません。

口コミ投稿は治療を受けた方が受けた感想です。これから受診されるあなたが同じ感想を抱くかもしれません。もし何か違和感を抱くような口コミが投稿されていたならば、満足している方からの口コミも参考にしながら総合的に判断してください。間違った情報もあるかもしれませんので、さまざまなサイトで客観的に判断しましょう

そのためすべての口コミが信用できるわけではありませんが、真実の感想も混じっているはずなので治療のための病院の選び方として参考になるはずです。

ポイント10:その病院やクリニックが開催している講習会などに参加してみる

病院やクリニックの治療方針を知るためには、講習会などに参加してみるのがおすすめです。最近ではオンラインで説明動画を公開していたり、実際に説明会を開いていたりする病院も少なくありません。参加費は無料であることが多いので、ぜひ受診前に参加してみましょう。

講習会に参加すれば病院ごとの治療方針や、医師ごとの治療方針も確認できるはずです。カウンセリングや初診を受けるよりも簡単なので、病院選びの際にはぜひ講習会を利用してみてください。

ポイント11:医師やスタッフとの相性


最後にご紹介したいのは、医師やスタッフとの相性です。すべての治療に当てはまる事かもしれませんが、相性が良い病院であればストレスなく通院し続けられるでしょう。

治療にはさまざまな種類があります。医師によって治療に対しての考え方も違いますし、重視する治療方法も異なるはずです。医師やスタッフとの相性が良いと、ご自身の治療に対する希望を汲み取ってもらいやすくなります。より良い治療方法を提案してもらえることもあるでしょう。医師やスタッフとの相性の良さは、治療にも影響を及ぼす重要なポイントです。

 
不妊治療では、セカンドオピニオンとして主治医以外の先生に意見を求めることができます。
こちらの記事でセカンドオピニオンのメリットや注意点を解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
 

当サイトで精子提供を受けられた方のご感想

こちらでは、当サイトを運営する「I LOVE BABY」をご利用頂き、精子提供を受けた方のご感想を紹介します。精子提供をお考えの方はぜひご覧ください。

京都府在住 年齢29歳

精子提供を受けて終わりではなく、その後も迅速に適切な治療が受けられる病院を紹介頂けました。
経過報告や重要連絡に対する対応や、治療中の不安・疑問に対しても、親身に相談に乗っていただけたのがとても印象的です。

また、体外受精や妊娠出産までの費用は高額であるイメージがあり不安でしたが、相談してみると一緒に解決策を探して頂けました。
ですので、金銭面に関して一切不安なく、安心して最後まで治療を続けることができました!

宮崎県在住 年齢30代後半

そもそも、精子バンクは存在するのか不信感がありました。
別のサイトでは、タイミング法では提供者が身体目的の人も多いと言うコメントを見て、わたし自身、精子バンクと関わる前は不安と不信感がありました。
精子バンクから、「I LOVE BABY」を紹介していただき、実際に担当の方がわたしの住む街まで時間を割いて会いに来てくださいました。
しかし、会った後も担当の方を完全を信じきれていない部分がありました。

わたしは、不妊治療では体外受精をし開始後7か月で妊娠成立しました。
不妊治療中は、いつ妊娠成立するかもわからない出口の見えない治療、また毎月何回も飛行機に乗って東京まで治療に行かないと行けない事へのストレスで気持ちが滅入る時も多々ありました。
採卵した卵が未成熟で破棄となった時や、卵子と精子が受精しなかった時など妊娠成立するまで気持ちがアップダウンする事も多く、担当の方に話しを聞いてもらう事も何度かありました。その度に、「一緒に頑張りましょう」と言ってくださりました。

また、ニュースで精子提供者が違う人だったというニュースを見たときも、わたしへの精子提供はどうなのか?とかなり問い詰めた事があります。
その際担当の方は、「そこはちゃんとしてないからニュースになるだけで、こちらはちゃんとしている、信じて大丈夫」だと言いました。

わたしは、約10か月「I LOVE BABY」と関わらせていただいていますが、嘘やごまかしたりしていると感じた事はありません。
こちらの疑問や質問に全力で対応してくださっていたと思います。
今は「I LOVE BABY」に対し不信感はなく、なにかあればすぐに相談する相手として信頼しています。

また、体外受精の治療をするにあたり問題点の一つに金銭面があると思います。
治療費用面でも、ご相談に乗っていただけ、すごく安心して治療に望む事ができました。

Aご夫妻

私達は夫が無精子症の診断をうけ、こちらにサポートにお願いすることにしました。カウンセリング後に病院を紹介頂き、スムーズに体外受精へ進めることが出来ました。

何より助かったのは費用面です。様々なサポートを速やかにして頂けましたので、全く困らずに済みました。
お陰様で、3回目の体外で妊娠出来、現在7週目を迎え夫婦共に嬉しさを噛み締めております。

お忙しい中ボランティアでここまで真剣にして頂き、本当に感謝しかないです。

不妊治療にかかる費用

2022年から不妊治療(人工授精・体外受精)に保険を適用できるようになりました。 自己負担3割で人工授精を受けたときにかかる費用は5,460円です。

実際の治療では、ここに再診料や処置料がかかるため、8,000~15,000円程度になると考えられます。自費診療で人工授精を受けたときにかかる費用の目安はトータルで5万円程度です。

体外受精は、保険を適用できる妻の年齢や回数に制限があります。

【適用条件】

  • 40歳未満:子供1人につき移植6回まで
  • 40~43歳未満:子供1人につき移植3回まで
  • 43歳以上:適用対象外

3割負担で体外受精を受けたときにかかる費用は採卵数、凍結保存数などで異なります。具体的な金額は条件によりますが、15~20万円程度の自己負担になるケースが多いでしょう。

自費診療で体外受精を受けたときにかかる費用の目安は50~70万円程度です。以前に比べると、不妊治療を受けやすくなっています。

不妊治療中のセカンドオピニオンについて

不妊治療を受けていると、病院の治療方針に不安を抱いたり、もっと自分に合う治療法があるのではと疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

不妊治療中には、より納得したうえで不妊治療を進めていけるよう、別の先生から意見をもらうセカンドオピニオンを受けることができます。
不妊治療中のセカンドオピニオンについてのメリットと2つの注意点」の記事で、セカンドオピニオンについて詳しく解説しております。不妊治療の病院選びで迷われている方は、ぜひ参考にしてみてください。

不妊治療の病院の選び方は11のポイントを押さえて

いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで、不妊治療のための病院の選び方ポイント11がご理解いただけたと思います。

I LOVE BABYでは、精子提供をはじめ、不妊治療に関する様々な支援を行っております。
また、治療費用に関するご相談も受け付けております。費用を気にすることなく、最後まで治療を受けて頂けるよう、ご提案・サポートをいたします。
不妊治療でお困りの方は、ぜひご相談ください。

不妊治療・精子提供の総合支援(相談)サービスのI LOVE BABY

[1]参照:厚生労働省:(PDF)関係団体の専門資格の概要

[2]参照:京都医療センター:男性不妊症