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20代からはじめる妊活とは?不妊の原因や治療法について

「赤ちゃんが欲しいけど何をしたらいいの?」と疑問に思う方はいるのではないでしょうか。
妊活は、赤ちゃんができやすいようご自身の体調や生活習慣に目を向けたり、パートナーと将来について話し合ったりする大切な過程です。

本記事では、20代の妊活について行うべきことや、不妊の概要・治療方法についてご紹介します。
妊活や不妊について詳しく知りたい方のお役に立てる記事となるでしょう。

20代の妊活

妊活といっても、まずは何をすればよいのかわからない方もいるでしょう。
ご自身の体に目を向けることも大切ですが、パートナーと将来についての取り決めをしておくことも妊活のひとつといえます。
そこで、妊活でしておきたいことを以下でご紹介します。

基礎体温を測る


まずは基礎体温を測りましょう。
基礎体温の変動により、排卵が起こっているかどうかがわかるからです。

体温が低い期間(およそ14日間)は、卵子を成熟させるホルモンが分泌され、月経がはじまってから排卵までの期間をあらわしています。

一方で体温が高くなる時期は排卵後を意味します。黄体ホルモンが分泌されることで、子宮内膜が受精卵の着床しやすい状態になるのです。

このように、女性の体は生理の周期内で体温が変動するため排卵日の予測が可能です。
つまり、どのタイミングで性交すればよいのかがわかります。
妊活を考えている方は基礎体温を測り、タイミングを見て性交するとよいでしょう。

産婦人科を受診する

産婦人科を受診する理由は、検査・治療のためです。
性交による自然妊娠がむずかしい場合、原因を特定し治療することでスムーズに妊娠できる可能性が高くなります
妊娠しづらい原因は男女それぞれにあります。

女性が検査してもとくに原因が見つからない場合、男性の精子が原因である場合も。
そのため、ご自身のみでなくパートナーの受診も検討しましょう。

カップルの数だけ妊活の方法は異なります。
ご自身にあった方法を知りたい場合は、まず受診するとよいでしょう。

【関連記事】
不妊治療で成功するための病院の選び方ポイントを11の項目から解説

パートナーと話し合う


パートナーと話し合うこともとても大切です。
妊活はお互いが理解しあい、二人で協力して行うものであるから。
家族が増えるということは、暮らし方や考え方が大きく変わるものです。
そのため、以下のようなことについて話し合い、将来を設計しておきましょう

  • いつ頃までに、何人赤ちゃんがほしいのか
  • 産後の仕事はどうするのか
  • 家は賃貸かマイホームか
  • 将来への貯蓄はいくらくらいか

体を冷やさない

体を冷やすことは避け、血行を保つように心がけましょう。冷えは妊活にとって大敵です。
冷えて血行が悪くなると、卵巣の働きが悪くなってしまいます。
栄養や酸素が卵巣に運ばれにくくなると、生理の周期がずれたり、ホルモンバランスが崩れたりする可能性があります
普段から体が冷えやすい方は、とくに冷やさないように注意しましょう。

おすすめは半身浴です。38~40℃程度のお風呂に20~30分入り、適度に汗をかくくらいに温まるとよいですよ。
発汗により水分が失われるので、水分補給も忘れずに。
その際、冷たいものではなく白湯などの温かいものを飲み、胃腸を冷やさないことも大切です。
入浴後は保温効果を長続きさせるため、靴下や腹巻きなどをしておくのもよいでしょう。

食事など生活習慣を整える

食事などの生活習慣を整えることも忘れずに。
バランスの良い食事は、妊活はもちろん健康にとっても大切なことです。
一日3食、主食・主菜・副菜の組み合わせで食べましょう。

なお、女性が不足しがちな栄養素は、葉酸カルシウムです。
これらには以下のような特徴があります。

  • 葉酸:大豆・ほうれん草・レバーに多く、赤ちゃんの脳・神経を育てる働きがある
  • カルシウム:乳製品・魚・モロヘイヤ・水菜などに多く、赤ちゃんの骨や歯をつくる
  • 鉄:レバー・貝類・牛肉などに多く、卵子が受精しやすくする

食事以外にも、適度な運動をしたり禁酒・禁煙をしたりしましょう。
運動には、血行改善によって子宮へ酸素・栄養がいきわたる効果があります。
また、ホルモンバランスを崩す肥満や生活習慣病の予防にもなります。

禁酒・禁煙は流産や早産のリスクを減らします。習慣のある方はできるだけ早くやめておきましょう。

【関連記事】
体外受精の成功率を食生活・生活習慣など身近なところで上げる方法

半年間たっても妊娠しない場合は検査を

いざ妊活をはじめてみると、思うように妊娠しないこともあるでしょう。
目安として、半年間たっても妊娠しない場合は検査をおすすめします

20代女性の1ヵ月あたり妊娠率は以下のようになっているからです[1]。

  • 20代前半(20~24歳):妊娠率25%、月数で4ヵ月以内
  • 20代後半(25~29歳):妊娠率15~20%、月数で5~6ヵ月以内

男女どちらにも不妊の原因がとくになければ、計算上6ヵ月以内で妊娠が可能といえます。
そのため、半年間経っても妊娠しない場合は不妊の原因が隠れているかもしれません。
なお、高齢になるほど自然妊娠できる確率は低くなります。

不妊とは


妊娠を望む健康な男女が、避妊せずに性交していても一定期間妊娠しない場合を不妊といいます。
また、日本産婦人科学会によると一定期間の定義は1年とされています[2]。

不妊の原因はさまざまで、原因はひとつではありません。
男女どちらか、あるいは双方に原因があることも考えられます。
以下で女性と男性それぞれについて、代表的なものをご紹介します。

女性側の原因

女性側には、おもに以下のような原因があります。

不妊の女性側因子

特徴

排卵因子(排卵障害)

  • 月経不順になることがある(基礎体温が低温期と高温期にならない)
  • 本来授乳期に増えるプロラクチンが多く分泌されてしまい、排卵が阻害される(高プロラクチン血症)
  • 男性ホルモンの分泌が増え、卵子が育ちにくくなる(多嚢胞性卵巣症候群)
  • 精神的ストレスや過度なダイエットが原因になることも
  • 20~30歳代でまれに卵巣機能が極端に低下し、排卵が起こらなくなる(早発卵巣不全)

卵管因子(閉塞・狭窄・癒着)

  • 性感染症によって卵管が閉じる・狭くなる・卵管の周りが癒着するなどにより、卵管に卵子が取り込まれにくくなる
  • 虫垂炎の手術や子宮内膜症により癒着することもある

子宮因子(子宮筋腫や子宮内膜ポリープなど)

子宮筋腫、子宮内ポリープ、粘膜下筋腫などにより、受精卵が着床しにくくなる

頸管因子(子宮頸管の炎症、子宮頸管からの粘液分泌の異常)

子宮頸部の手術、子宮頸部の炎症などにより、おりものが少なくなり精子が子宮内へたどり着けなくなる

免疫因子(抗精子抗体など)

何らかの免疫異常により精子の運動を止める抗体ができてしまう

原因不明不妊

検査では原因が見つからない

高齢の女性に多い

男性側の原因

男性側にはおもに以下の原因があります。

不妊の男性側因子

特徴

造精機能障害(精子をつくる機能の障害)

  • 射精される精液中の精子が少ない、運動率(動いている精子の数)が低下している、奇形率が高いなどにより受精しにくくなる
  • 精子をつくるホルモンの分泌が少ない
  • 停留精巣の手術後・おたふく風邪による精巣炎・染色体異常・抗がん剤の治療などが原因

性機能障害

  • 勃起障害(ED)あるいは射精障害
  • そのほか、神経障害・糖尿病・心因性・薬による影響などが原因

精路通過障害

  • 閉塞性無精子症(精子はつくられているが、通り道が閉じて精子が出てこない)
  • 先天性・精巣上体炎などによりせまくなったり、鼠径ヘルニアの手術が原因となるなど

不妊治療とは

不妊治療とは、妊娠・出産するために不妊の原因を明らかにし治療することです。
治療のタイミング・種類・流れ・費用の相場などをご紹介しますので、これから不妊治療を望まれる方は参考にしていただけると幸いです。

不妊治療に初めて行くタイミング

不妊治療に初めて行くタイミングは、避妊せずに性交しても1年以上妊娠しない場合が目安です。
不妊の原因は先述したようにさまざまなものがあります。
また、高齢になるにつれ自然妊娠の確率も低下することを述べました。
これから紹介する不妊治療においても、年齢が若い方が成功する確率が高いといわれています。

そのため、すぐにでも赤ちゃんがほしい方は、検査を受けて異常の有無を確認することだけでもしておきましょう。
何も問題がないにこしたことはありませんし、異常が見つかれば早期に対策できるからです。

不妊治療の種類

不妊治療の種類は大きく3つに分けられます。
以下でタイミング法・人工授精・体外受精の3つについて解説していきます。

治療の種類

特徴

タイミング法

  • 不妊治療の基本的な治療方法
  • 膣の超音波検査やホルモン採血によって卵胞の大きさを測定し排卵日を予測するため、性交のタイミングが明確になる
  • 医師からタイミングを指導されること以外は自然妊娠と大きな違いがなく、金銭的・肉体的な負担が軽い

人工授精

  • 排卵のタイミングでパートナーの精子を子宮へ直接注入する
  • 数多くの精子の中から活発に動いているものを取り出して行う
  • 直接注入するため、授精の確率が高くなる
  • 自然妊娠に近い形で行え、金銭面も比較的負担が軽い

体外受精

  • タイミング法と人工授精でも妊娠しにくい場合に行う
  • 人工授精との違いは、卵子を体外に取り出して精子と受精させること
  • 受精後は子宮へ戻す
  • タイミング法・人工授精と比較し妊娠する可能性が高いが金銭的な負担は大きい

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不妊治療の流れ

不妊治療の流れについて解説します。
治療は不妊の原因を特定し、その原因から治療していきます。

しかし原因が見つからない場合はまずタイミング法による治療から始め、数ヵ月~1年ほど続けていくのが一般的です。
タイミング法で妊娠がむずかしい場合、次に人工授精を選択します。人工授精でも同様に数ヵ月~1年ほど行い、むずかしいと判断されれば体外受精へと進みます。

検査で原因が特定できていれば、体の状態や年齢に応じて始めから人工授精や体外受精がすすめられることもあります。
医師とよく相談し、よりご自身にあった治療法を一緒に考えていくとよいでしょう

不妊治療の費用相場

不妊治療の費用相場について解説します。

タイミング法は保険適用で金銭的負担が軽い治療ですが、人工授精や体外受精は保険適用外です。体外受精の費用がもっとも大きくなります。

厚生労働省の調査研究によると、各治療の1周期ごとの費用相場は以下のとおりです[2]。

  • タイミング法:5,000円未満
  • 人工授精:3万円(都市部と地方など、住まいによる差はほとんどなし)
  • 体外受精:50万円(都市部で約53万円、地方で45万円と住まいによる差あり)

上記の費用×何周期治療したかで費用総額が決まります。

当サイトで精子提供を受けられた方のご感想

こちらでは、当サイトを運営する「I LOVE BABY」をご利用頂き、精子提供を受けた方のご感想を紹介します。精子提供をお考えの方はぜひご覧ください。

Aご夫妻

私達は夫が無精子症の診断をうけ、こちらにサポートにお願いすることにしました。カウンセリング後に病院を紹介頂き、スムーズに体外受精へ進めることが出来ました。

何より助かったのは費用面です。様々なサポートを速やかにして頂けましたので、全く困らずに済みました。
お陰様で、3回目の体外で妊娠出来、現在7週目を迎え夫婦共に嬉しさを噛み締めております。

お忙しい中ボランティアでここまで真剣にして頂き、本当に感謝しかないです。

妊活は自分の体やパートナーと向き合う大切なこと

いかがでしたでしょうか?
本記事では20代の妊活について行うべきことや、不妊の概要・治療方法についてご紹介しました。
ご自身の体やパートナーと向き合い、検査や治療をすすめることで自然妊娠の確率は上がるでしょう。

I LOVE BABYでは、精子提供をはじめ、不妊治療に関する様々な支援を行っております。
また、治療費用に関するご相談も受け付けております。費用を気にすることなく、最後まで治療を受けて頂けるよう、ご提案・サポートをいたします。
不妊治療でお困りの方は、ぜひご相談ください。

精子提供の無料相談&支援サイトの一般社団法人I LOVE BABY

[1]参照:慶応義塾大学病院医療・健康情報サイト
[2]参照:日本産科婦人科学会
[3]参照:厚生労働省(PDF)令和2年度子ども・子育て支援推進調査研究事業 不妊治療の実態に関する調査研究